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2005.05.25

リスク回避

今どき、いろんなものが「リスク」に見えます。

たとえば、家。自宅を賃貸ではなく持ち家にするのは、こんごの少子化による家のたぶつきや関東で有史以来間隔を置いて起きている震災への危惧など、持っているからこそ心配しないといけないことが増える気がして、リスクに見えます。
こんな記事も見ました。(日本経済新聞2005年5月21日朝刊1面より引用)

都内在住の五十歳代の会社員男性は最近、老後のために積み立てている資産の残高が千五百万円を超えた。中身はすべて不動産投資信託(REIT)だ。

REITは投資家から小口の資金を集めてビルを購入し、その家賃を配当などとして分配する不動産の証券化商品だ。(中略)証券化で複数のビルに投資するので、個々の土地が抱える「隣にビルが建ち日当たりが悪くなる」といったリスクは分散される。個人が新しい投資商品を手に入れたのだ。


仕事だってそうです。「雇用流動化」と、言うは易し。これだけ将来不安が叫ばれ続けたら、夢多き若者もさすがに憂鬱になります。落ち着いて一つのことを勉強し追求し続けたりすることをあまりにも「リスク」かのようにばかり言うのは、きっと止めた方がいい。
どんな人もなにかのスキルの「転移」ができるようになるには、それまでにかなりの経験を積む必要があるわけです。いくら高齢化社会だからと言って、若者に熟年・高齢者の持つ「適応力」を同じだけ発揮せよというのは、酷な話です。


が、もっと憂鬱なものもあって。
たとえば子育てまでも、そういう「リスク」に見えてしまいます。
これだけ「男女共同参画社会」とか「ともに社会を築く」とかいっといて。ところが、仕事におけるあらゆる差別がふつーの共働き世帯に襲いかかる…こんな現状であれば、これはもう立派な「リスク」。そういうものを跳ね返すだけの底力を持った「出すぎた杭」以外は、あっさり敗北、ですね。
(参考:http://www.yomiuri.co.jp/iryou/ansin/an150101.htm

しかしこの国は、「なにか問題を抱えている人」には目を向けますが、「(一見)ふつーの人」は目を向けませんよね。ほんと。
本来なら子育てって、「ふつー」のことのはずなんですよ。ふつー。それがふつーにできない。これだけ徹底的に数字(出生率等)になって現れても、見ないふり、だもんね。他国と掛け値無しに比較したって、本当に子育てに冷たい労働慣行も多すぎ。そこで「リスクヘッジ」。(苦笑)
いっそのこと、外国に転職か留学して、そこで子作りしようかな。 :p

フランスは最近、出生率の回復に伴って「近々ヨーロッパ最大の人口を抱える国になる」というのが見えてきた、と政府がいいはじめたそうです。
そんなわけで、翻ってこの国は、「子は宝」を叫びすぎ『過ぎた』ときの呪縛がまだ世の中を包み込んでいて、そうして国力のバロメータの一つが、どんどん細ります。 X(

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