ディジタル放送の「コピーワンス」と著作権法第三十五条
「コピーワンス見直し」で留意すべきこと
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0511/10/news062.html
大学教員が仕事のなかで非常にお世話になっている法律がある。それが、著作権法。
「物書き」を生業とすべき大学教員は、自分の書いたもののオリジナリティを著作権法で守っていただくことができる。
一方、著作権法は
・教育を担任する者が、
・その授業の過程における使用に供することを目的とする場合、
・必要と認められる限度を、
・著作権者の利益を不当に害することとはならない場合、
に限って、著作物の複製を認めている。授業を成立させるために、大変重要である。
私は、この第三十五条に関連して、こんな利用方法を考えている。
学校放送番組の授業の様子を、教職科目履修の学生に講義の時間を使って見てもらい、その視聴をもとにレポートを書かせる。
さいわい最近はDVDプレーヤーが図書館にあったり、DVDROM内蔵のPCが大学にあったりするので、学生はそれらで視聴する。
ただ、授業を通じていろんな回の番組をとりあげて批評をさせると、学生はさまざまな視点で授業のあり方を検討できるので有意義だ。だから複数の放送分をできれば「学生バラバラに」見させたい。
また、図書館もPCも画面が小さい。だから複数のPCで1つの番組が見られるようにしたい。だから一つの番組を複数のDVDに焼いて同時に配れたら嬉しい。
…と、このような場合、「授業で使うためにHDD録画した番組を複数のDVDに入れて授業中だけ貸し出す」のは、どうなのだろう、というわけだ。この状況、極めて「微妙」。
もちろんDVDは貸すだけだし、それも授業中。ライブラリー化して求めに応じて貸し出すようなこともしていない。
しかしこの利用の仕方は、「限りなく線引きしにくい複製利用」をしているといえよう。
とりあえず「コピーワンス」が掛かっている時点で、第三十五条的に言うと、(コピーガード外しでもしない限り焼けないけど)複数のDVDに焼き付けるのは「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」なんだろう。おそらく。
まあかなりレアケースなのだが、とにかく言いたいのは「授業者はなんでも教材にできないか考えている」し、そういう思いが授業をよくしてゆくことにつながると自負していること。
皆さんはどうお考えになるだろう。
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