たび日記 2005/3/13
たび日記 2005/3/13
ミラノにて、芸術に触れる一日。
8日のトランジットは乗り換えだったので、実質初めてのミラノ。
昼前から店の前に並んで、
昼12時と同時にオペラの常設劇場・スカラ座のチケットカウンターで
「当日券、ありませんか?」
と問い合わせるも、無情にも売り切れ。
スカラ座大修理の最中から使われるようになった別の劇場でのバレエであれば残席があると言われ、まぁ見てみるか…と何気ない気持ちで行ったのですが、これがもの凄くて。
というのも、まるでここはニューヨークか?と思うほどの前衛ぶりだったのです。
ガイドブックによると、この作品は1997年に初めてかかり、その後広く人気を博しているとのこと。
極めて抽象性の高い演出で、見ているとちょっとしんどくなる内容。どおりで日本人が少ないわけだ。;)
ところが、もっとびっくりさせられたのが、そのバレエの観客。
日本でいうとさしずめ「老人会」みたいな団体のバスをはじめ、こんなこってこての現代芸術を観に来た高齢者の多いこと多いこと。
多くの場面で練習着とみまごうほどのシンプルな出で立ちで、作品のあらすじも、肉体美を前面に押し出しながらの、バレエというより「舞踊」。
それをこれだけの「おばーちゃん」が日曜の昼間に観に来るなんて…と、いたく驚くばかりでした。
さしずめ、勘三郎さん(前の勘九郎さん)が新国立劇場あたりで歌舞伎とは離れたド派手な舞台を打ったところで「おばーちゃん」が大挙観に来た、って感じかと。
しかし日本だとそれを「歌舞伎座」で打たずに、外にするんだよね。そこが違う。
なんでふところの深い芸術への理解のあり方なんだろう。
観劇後は絵画を観に。イタリアを中心に、14-18世紀末あたりまでの絵画がかかっていた美術館だったのですが、「こちらが聖〇〇です」と紹介するだけのものだった宗教画が、ルネッサンス以降どんどん「脚色」されてゆく様子というか、その宗教画の系譜を追うような感じでした。
いっぱい一気に観たので、ちょっともったいなかったな。
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