たび日記 2005/9/15
パリ・科学技術シティで取材。学習活動支援の統括をする方と会い、取り組みに触れた。
今回は先方も忙しく、限られた時間のやりとりになってしまったので、電子メールでいろいろ訊かせてください、とお願いして別れた。
ところで、ごく最近になって、なんとなくヨーロッパの中の、イギリスとフランスに代表される民族差といったものを感じ取れるようになってきた。
もちろん、こういった教育に対する考え方の範疇だけではあるが。
どうも、ロンドン(イギリス)は、市民のなかに厳然と生まれてしまっている文化的格差をいったん認めた上で、科学の大衆化を考えている。
文化的格差とは、端的に言うと収入のレベル差は、生活様式の差を生むだけではなく、博物館・科学館、あるいは劇場やバーやサッカー競技場といった「場」を訪れ、そこでの体験を味わおうとすることに対しても「階層差」を生じさせているというもの、と説明すればよいだろうか。
ミュージカルやクラシック、日本の伝統芸能のたぐいを味わうためには、その芸術の「様式美」の理解が伴ってこそ受容できることがらがある。
どんなジャンルであれ、このような感性を常日頃磨いた者とそうでない者は、何が楽しいと感じるかにおのずと差が生まれてしかるべきである。
このことを、イギリス(イングランド・ウェールズに限定した方がいいのかな)では一旦認めた上で「すべての人に科学を提供する」という取り組みをどう進めるべきか、考えているように思えるのである。
一方フランスは、議論や知の涵養は誰にでもできることというか、広くいろんな人々が行っていることと捉えている。
ただ、特定の人が(得手なこと・職業として)科学なら科学のことにより深く取り組んでいるのだと考えているようにみえる。
また、「私はこうしたい」という自律的志向が強くて、その自分の考えや立場に基づいてさまざまな動きに参画しているようにみえる。
一見似ているようだが、ちょっと違う気がする。
- - - - -
昼はうどん、夜はカンボジア料理、と、ちょっとオリエンタルに組み合わせ、「休肝日」にもした一日だった。
うどんは、エビ天の載った薄口出汁の天ぷらうどんに、おかず盛り(ちいさなトンカツとサラダ・炊き込みご飯)。
よるは、生春巻やネム(豚肉や野菜などをライスペーパーでくるんで揚げた春巻)、ビーフンなどを、美味しくいただいた。
今日の歩数:16400歩
The comments to this entry are closed.
Comments