たび日記 2005/12/27 昼
こっちに来てから初めて、NHKラジオ日本・海外安全情報(←要RealPlayer)を聞いたら、セネガルが出てきた…(Dec.27 23:30jst時点の放送)。
カザマンス地方は、ダカール等の北部地方との間にガンビアという別の国が挟まっているため、経済的な恩恵が届かないのか、分離独立の武装闘争が続いている。
昨年末に停戦・復興のための合意が(一応形式的には)なされているが、日本の外務省の海外安全ホームページでも、ごく一部(リゾート地)を除いたエリアには行かないようにと警告している。
ところで、「物騒なところには行かないように」と、外務省が渡航について情報を発するのは、諸外国もやっていることかといえば、実はそうではない。「そういうことは、『米国人にとってのイラク』(苦笑)など極端に物騒な地域を除いて、個人が自分の責任で判断すること」という考え方が、欧米は多い。いっぽう、日本はこういう情報を丁寧に出す。良い意味・悪い意味の両方で、「過保護」である。
国際援助・経済支援をより多くして、日本のプレゼンスを高めるといった観点から言うと、こういう地域は少なければ少ないほどよい。日本の外務省は、こういった情報をだすせいで、政府開発援助(ODA)をつけることの出来る地域(日本人が行って取材・交渉等できる地域)を、自ら減らしている。
これは一種の「トレードオフ」なので、どっちがいいのかは「日本人が決めること」である。「自分の国は他国から見てどうありたいか」の議論の論点の一つである。しかし、大勢が「島の中」に目を向けているせいか、こういうことへの価値判断や是非検討は殆どなされていないのが実状だと思う。
で、素人目に見ても極端に物騒なところで何か事件があったときや、軍事・防衛の観点のときだけ、(その事件性をとらまえて責任追及など)大騒ぎ「だけ」、する。
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