中東の子は、この問題をどう見たんだろう…>PISA 2006
我がパートナー、Reading例題集のpp.37-41の問題をみて、曰く。
(1)
カタールの子、これは解けない。
(理由)
PISAに参加する15歳生徒のレベルにもよるが、カタール国籍者であれば、こういう作業の多くはメイドがやるんじゃないか。ただし、そこまで知性のあるメイドは限られているし、また、かなり金持ちだから『あ、壊れた。また買えばいいや』っていう風土なので、このようなドキュメントには注意が払われないだろう。
(2)
カタール・チュニジア・ヨルダンはまだしも、中東の超保守的なイスラム教徒の家庭であれば、女子は解けない。
(理由)
厳格なイスラム教徒の多い国では、買い物は男性の役目だから、こんなこと問われてもイメージできない可能性がある。
<わたしの想い>
どんな出題も、出題者が規範とする文化が底辺にあり、どんな規準で作成しているのかは、確かにあやしい。多文化論的立場の研究者は、比べることそのものが無意味であるという主張・論文まで出しており、全面的にそれを是認するかはさておき、一応一理ある。
然るに日本のこの風潮は、このような「TOEIC/TOEFL的出題傾向」も垣間見られる出題に「付き合う」かどうかも含めて合意形成してから、結果を云々しているとは到底思えない。そのくらい『世界』を観ることは難しく、この国のマスコミは殊にこのへんに疎い。
なお、補して曰く。
「ヨルダンでは、最近は女性も買い物に出る」。
「チュニジアも、スーク(市場)やショッピングセンターくらいであれば男女とも日常的に利用する」。
私からも補足。
「カタールは18歳まで無償義務教育、卒業者の非常に多くが国内の大学(カタール大学)にも進学。」
« ところで、わぁわぁ言う人ってみんな、どんな国・地域が参加しているのか知ってるのかしら>PISA 2006 | Main | そうなんだよ、120分持たないんだよぉ…(大泣)>PISA 2006 »
The comments to this entry are closed.
Comments