マリがかなり複雑な情勢に
若手将校によるクーデターが進行するなか、北東部反政府勢力が独立宣言、という、かなり複雑な情勢になってきた。
BBC: Mali coup leaders to stand down as part of Ecowas deal
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-17642276
France24: Tuareg rebels declare independence in north Mali
http://www.france24.com/en/20120406-france-24-exclusive-tuareg-rebels-declare-independence-mlna-mali-ansar-dine-azawad
ECOWAS は「西アフリカ諸国経済共同体」。「経済」とついているが域内の紛争解決のために派遣する監視グループも持っていて、今回はその関与を受けることに同意したもよう。
しかしこのクーデターの直接の原因ともなっていた北東部の勢力が「独立宣言」とまで来た。事態がここまでテンポを速めて進むことは、フランスなど影響力のある他国も考えていなかったのではないか。
どうも北東部は武装勢力の「暴走」とみられてもしかたないような状況にみえる。
現地時間5日には、北東部で国境を接するアルジェリアの現地領事館が襲われ、外交官が誘拐されるという事件が起きている。
France24: Diplomats kidnapped from Algerian consulate in Mali
http://www.france24.com/en/20120405-mali-islamists-seize-algerian-consulate-gao-kidnap-staff
こんなことが起きると、隣国も“独立宣言”した勢力と心穏やかにつきあうことは到底できまい。
さらに、北東部ではない首都バマコでは、“独立宣言”を非難する動きがみられるとも。
France24: Malians denounce northern 'independence'
http://www.france24.com/en/20120406-mali-bamako-reaction-residents-condemn-tuareg-independence-north-mali-aqim
日本も、長くセネガルが兼轄していた大使館を数年前マリに置いた。セネガルほどではないが民主政治の流れも安定していた。地域的な存在感もある程度は出てきたとみられるだけに、こういった「市民が嫌がる政治的活動」がどこまで続けられるのか、注目に値する。
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